先日、農林水産省が文書作成ソフトを、ジャストシステムの「一太郎」との併用からマイクロソフトの「ワード」に統一する方針を決めたというニュースがありました。
「一太郎」
懐かしい。現役のソフトなのに懐かしいは失礼かもしれませんが、率直にそう感じました。
そして現在でも現役であることを嬉しくも思いました。
私と同じ世代の人はやはりそう感じるのではないでしょうか。
私が一太郎に最初に触れたのは中学か高校の頃。父が対局できる囲碁ソフトで遊びたくて、対応しているパソコンを購入するときに一緒に購入したのではなかったかと思います。簡単な文書や大学の卒論など、一太郎で作成したのを覚えています。バージョンは4.3だったかな。当時はOSもまだWindowsではなくMS-DOS。文書ファイルの保存も5インチのフロッピーディスクでした(はぁ~、なんだろな。こういうことを思い出すと、自分がすごい古い人間に感じる。まあ、そういうことなんだろうけど)。
社会人になり(就職したら社会人という言い方には個人的に異論がありますが、それは別の話)、Windows95が爆発的に普及し、ワードやエクセルがパソコンにバンドルされるようになってからも、しばらくはバージョンアップして一太郎を使っていました。
やっぱり、使いやすかったんですよね。
当時のATOKの変換精度はMS-IMEの比ではなかったですし、チラシやDMをレイアウトする際も自分がイメージしたとおりに細かな調整が利くのは一太郎でした(当時のワードでも出来なくはなかったのかもしれませんが、ワードの場合、ワードの機能にこちらが合わせて文書を作る感覚でした)。ちょうど職人の手に馴染んだ道具みたいに、一太郎は感覚的に馴染んでとても使いやすかったのです。
でも、Windowsやofficeソフトが買い替えなどでバージョンアップし、インターネットの普及でメールで文書のやり取りをするようになる中で、どうしてもワードを使った方が手間がかからないようになってしまって、いつのころからか(Windows98か2000の頃かな)一太郎は更新しなくなってしまいました。
何年か前、教師をしている年若い知人のインターネット設定を頼まれたことがあったのですが、そのPCのデスクトップに一太郎のアイコンがあったのを見て「一太郎使ってるの?」と聞いたことがあります。その学校では年長の先生たちがみんな一太郎を使っているので自分も合わせて使っているということでした。
まだ結構そういうところはあるのかもしれませんね。もちろんたくさんのユーザがいるからメーカも開発を続けることが出来る訳ですし。
ホームページを見てみると、やはり一太郎は一太郎で、日本語文化に合った機能の面で随分進化しているように思いました。文書を作るような業界や仕事をしている人たちは今でも標準は一太郎だったりするんでしょうね、きっと。
私もまたいつか使うことがあるのかな。
それまでずっとあって欲しいな、一太郎は。