無意識|香珈房Blog     

2020年2月22日土曜日

無意識

2月某日の夜、電車で高槻に帰るときのこと。

その日は普通電車での帰宅でした。

少々立て込んだ日々を過ごしていた私はその日、ことのほか疲れていたのですが、大阪からの電車は夜10時を過ぎてもまだ人は多く、大阪に近い駅から乗車した私も、残念ながら座ることはできませんでした。

そのくらいの時間の電車というものは、独特の車内の雰囲気があります。たいがい、少し気怠いような、残業などで疲れた人たちの醸し出す静かな空気が車内を支配しています。週末にはそこにアルコールを飲んだ人たちの臭いや声、イベント帰りの人たちの(例えばサッカー観戦帰りの)カラフルさや賑やかさが加わります。その日は週末ではなかったのですが、目の前の座っている人が缶ビールを取り出し、プシュッとしていました。

(あれ、見たことのない缶の柄だなー、新しい限定ビールかなー・・・)

なんてボーっと思いながら、疲れた体をつり革を持つ手で支えながら席が空くのを待ちます。普通電車なので各駅で停まる度に人は降りていきます。茨木駅あたりで私もようやく座ることができました。

でも座れたのもつかの間、高槻まではあと2駅です。あっという間に高槻駅に到着。立ち上がる私。

一瞬、隣に座っていた人がこちらを凝視したような気がしましたが、そのまま電車を降りました。

(ちょっと座っただけだと余計に歩くのしんどいなぁ)

と思いながら改札へと向かいます。

(それにしても、なんで隣の人、こっち見たんだろう・・・・・・あっ)

急に思い当たりました。

私は立ち上がる時「よいしょ」と声出していたのです。もちろん無意識に。

そしてそれは、静かな車内で隣の人が凝視するくらいの声量だったのでしょう、よく考えたらそんな気がしてきました。

急に恥ずかしくなる私。

少し、寒さが増したような気がしました。