奄美大島の青く美しい海。
その海底の砂地にあらわれるレリーフのような複雑な模様のサークル。
これをつくったのは、10cmほどの小さなフグでした。
「アマミホシゾラフグ」
名前もさることながら、サークルを作る様子がとてもかわいい。
おなかを砂地にこすりつけて溝を作りながら、掘り分けた砂をムナビレでパタパタと巻き上げ左右に降り積もらせる。
そのパタパタの強弱でウネの高さを変え、美しい模様を作っていく。
さらには出来上がったサークルにサンゴや貝殻のかけらをかみ砕いて飾りつけをすることも。
何のためにそんなものを作るのかというと、メスを呼ぶためにオスが作るのだそう。
そしてメスはこのサークルの真ん中に産卵した後、別の気に入るサークルを探しにどこかに行ってしまい、後はオスがそのサークルで外敵から卵を守るのだそうです。
それにしてもこれって、人間だと直径30メートルぐらいのサークルをフリーハンドで作っているようなもの。
それを定規もコンパスもシャベルもなく、こんなきれいに作っちゃうなんて。
このフグが新種登録されたのは2014年ということですから、まだ発見されていない驚くような高度で複雑な習性を持つ生き物はたくさんいるのでしょうね。