実は、コーヒー豆に含まれる香りの成分はごく微量です。
でも、わたしたちにとってコーヒーの香りは主な楽しみの一つ。
そんなコーヒーの香りを存分に楽しむ3つの段階があります。
[その1]挽いた時の香り
ミルでゴリゴリと豆を挽いた時、最初に感じる芳醇な香り。
焙煎された豆の中で、いわばマスキングされていた香りの成分が、砕かれることで空気中に放出され、部屋中を豊かな香りで満たします。
[その2]ドリップするときの香り
ゆっくりお湯を注いだとき、湯気とともに立ち込める香り。
コーヒーの香り成分の数は650程度知られているのですが、一般にあまり水溶性が高くないんです。それぞれのお湯への溶け出しやすさの違いで、抽出時の香りとカップに移行する香りは異なるものとなります。
そう考えると、ドリップ中に思わず深呼吸してしまいますよね!
[その3]カップに入ったコーヒーの香り
香ばしい香りと口に含んだときの豊かな味わい。そのカップの中に完成された香りと味わいの絶妙なバランスは、時に気分をほどいたり、気持ちをきりっとさせてくれたりもします。どうぞその時々の気分を満たしながら、しばしのコーヒータイムを楽しみましょう!
さて、コーヒーの香り成分の数は先ほど述べましたが、その含量は多いものでも1%ありません。主要な成分だけで40種類程度あるのですが、その中にも単独でコーヒーの香りを表せるものはないんです。
しかも、不安定な香り成分も多いので、時間的な意味でもそれぞれの段階の香りに微妙な変化を感じさせます。
コーヒーの香りってとても複雑で繊細なものなんですね。